Bluetooth aptX LL で完全無線演奏は可能なのか? ~実践編~
おはこんばんにちは。ヨシュアです。
暑さやばいっすね。クーラーかけてもベース弾いてると汗かいちゃう。
てことで、SENNHEISERのaptX LL対応ヘッドホンを買ったので、以前書いたBluetooth aptX LLで完全無線演奏を夢見た記事の実践編です。
boardgame-music.hatenablog.com
実験環境
実験環境としては下記です。
最大の遅延がBluetooth通信で規格上最大40ms、次に、GCE-3でのADC, DAC, DSP, USB等処理です。
通常DAWを使う際、バッファサイズの設定とサンプリングレートの設定によって変わってきます。
バッファサイズと遅延の関係や遅延量の体感については下記サイトにて説明されています。
レイテンシーの遅れって何ms以内を目指すべき!?演奏に支障が出ない時間はどのくらい? – Yugoの不思議な音楽の国
ただ、GCE-3はDAW使わずにZOOM Guitar Labというソフトを使ってて、このソフトにはそういった設定画面はないようなのでオートです。
理論編復習
そもそも上記の情報によれば遅延量30,40msとかは演奏には適さないですね。
なお、人間の認知限界は会話で50ms~100msとか、また別のYAMAHAによる研究で音楽で30msとか他の値も出ています。詳細は情報処理学会の論文を
(ソース:
)※PDF注意!!
さて時間で言われても分かりづらいので、音符に直します。
まずBPMの定義を確認します。
BPM (Beats Per Minutes): 4分音符が1分間に何回鳴ってるか
すなわちN分音符1個分の長さをX”ミリ”秒とすると、
X [ms] =1000 * (60[s]/BPM) * (4/N)
となります。
例えば日本人に馴染みが深い速い曲であるX Japanの紅はBPM157で16分音符メインの音楽なので、
X=1000 * (60/157) * (4/16) = 95.5ms
すなわち、紅で16分音符が約半分ずれるということです。(32分音符ズレ)
逆に、遅延時間40msが32分音符に相当する時は
40 = 1000 * (60/BPM) * (4/32)よりBPM=187.5になります。
実践編
さて上記環境で弾いてみたところ下記感想となりました。
aptX LLで楽器演奏できるか実験したけど、耳で聞いた感じ少しズレは感じるけど弾けなくはない程度だった
— ヨシュア (@boardgame_music) 2020年7月26日
しかし実際に一曲弾いてみると空振りしたりミスピッキングがいつもより多い
よくaptX LL語るときに人間の耳が感じられる限界を元に議論してるけど脳が無意識に補正かけてるのかしてずれてるのかも
これがすべてっちゃあすべてなんですが、その4日後ぐらいにまた弾いてみました。それらを含めて補足をするならば、
・補正をかけて弾いてるっていうのは実際の遅延から脳で勝手に逆算処理して前もって弾けるということ。普通のBluetoothでもある程度補正かけて先に弾けなくもないが、すぐに混乱してしまうが、これぐらいの遅延量なら補正をできるかもしれないという予想
・ツイート時はベース引くのが3週間ぶりぐらいで下手になってた可能性。2回目だとまだマシ
・1回目よりも2回目の方が遅延が少なく感じた。遅延に体が慣れたのか、ペアリングの度にBluetoothの遅延量が決まるのか。
というのもトランスミッターとヘッドホンの相性が悪く何度かペアリングし直した。接続に入るタイミングやシーケンスが不明。
以上2点より、2回目ははるかに弾きやすかった。がしかし、この状態に慣れてしまうとリズム感悪くなるのは不可避だと思う。
結論:Bluetooth aptX LLで楽器は演奏できない!!
実家に帰省した時とかたまに使うぐらいなら使えるでしょう。(このヘッドホンは有線接続できるので私はそうしますが。)
あとは局所的ですが、弾いてみた動画の当て振りとか。(音無しでいいとか言わない)
boardgame-music.hatenablog.com
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